DFJプレスでは最初の発行書籍として、愛玩拒否の人形作家、土井典の評伝に取り組んでいます。
準備は2020年11月に土井典の訃報に接したことから始まりました。訃報を知った時点で4年が経っていました。
澁澤龍彦や暗黒舞踏の祖ともいわれる土方巽ほか時代の寵児であった文化人と交流をもち、球体関節人形の先駆者として知られる一方、愛玩を拒否するような際どいメイクの肥満体の人形も制作しました。
生涯において作品集『葡萄色の乳房』(1986年 ペヨトル工房)と『偽少女』(2003年 論創社)が発行されました。
今回の評伝では土井の人生を追いながら、その時代を改めて検証します。
執筆は芸術批評、ジェンダー批評を専門とする榊山裕子。『DOLL FORUM JAPAN 27号』の土井典特集でインタビューを担当したほか、同誌で「ベルメールから」を連載し、日本におけるハンス・ベルメールの影響を独自の視点で考察しました。
本書でも戦後とは、女性とは、人形とは、という問いかけをしながら、土井が歩んだ道を追っていきます。
発行予定 2024年6月末頃
著者 榊山裕子
判型、ページ数 B5判 200頁くらいを予定(作品カラーページあり)